『ホルマリン漬けの心臓』

解らないから怖いんじゃないんだよ。

解ってしまったら怖いから逃げ出してしまうんだ。

人間は、『最悪』を考える生物なのだから。


概要

推奨技能:戦闘技能・基本三大技能(聞き耳・目星・図書館)

準推奨:精神分析、追跡、交渉技能

プレイ人数:4人(固定)

プレイタイム:8~12時間(ボイスセッション)

職業固定:PC1 刑事/PC2 記者/PC3 死体修復士/PC4 探偵

シナリオ形式:シティ(関東地方 架空都市)

システム:秘匿HO制シナリオ、疑心暗鬼、PvPの可能性有


季節は茹だる様に暑い七月の下旬。

雑踏と喧騒ばかりが昼夜問わず行き交っているこの都市で、腐乱死体が次々と発見された。

ある者は、ゴミ捨て場に捨てられ。

ある者は、大きな冷蔵庫の中で身を隠すようにし。

またある者は、河川敷で助けを乞うような姿で。

そのどの遺体も全て「溶けて」いた。

腐敗が進むまで誰からも見つけて貰えなかった、というのもあるかもしれないが

全体的に損傷が激しく性別も、顔も、身元も解らないものばかりだった。

更にその遺体の不自然なところは、内臓の一切合切が失われているというものである。

辛うじて残された臓器は、溶けずに残った心臓の一部と、むき出しになった脳だけ。

犯人は人間で標本でも作る気でいるのだろうか。

他の臓器は一体どこに消えてしまったのか。

何故それを持ちかえるのだろう。

連日ニュースで取り上げられ、若者の間では陰謀論すらも蔓延るようになっていた。

―…そんな騒がしい夏、また腐乱死体が発見された。

じわりとかいた汗はシャツを湿らせ、唾を飲込めば喉の渇きに気が狂う程の暑さの中。

鼻腔を一瞬で支配するのは、肉が腐った匂いと噎せ返りそうな程強烈な血の匂いである。

死体の周りをぶん、ぶん、と無数の蠅が飛び交うので口を開くのも躊躇われた。

その腹は果実を潰したかのような有様だ。本来ある筈の場所に臓器は無かった。

窮屈そうに肉の間から骨が顔を覗かせているが、何本か折れてしまっている。

顔は完全に溶けきっており、頭蓋骨が殆ど剥き出しの状態だ。

一体誰が死んだのか。

……わからない。

あなた方は各々が各々、自身の職務と責任を負いながら顔の見えない犯人を捜す事となる。

正義と、使命と、目的の為に。


▼注意事項

・R-15Gシナリオとなります。過激な描写、グロ表現に耐性の無い方はおすすめ致しません。

・このシナリオは倫理的問題に深く関わる内容となっております。

・このシナリオに登場する団体、人物、組織は全てフィクションです。

・また本編に入る前に各PCには【個別OP】が存在します。同時処理をするか、事前に終わらせるかはKPにお任せ致しますが、秘匿と同じ扱いになります。

・KP難易度が高めです。心配な方はSKPを立てる事をお勧めいたします。


▼PC一覧

■PC1:刑事

真夏の夜、あなたは喉を潤すために居酒屋に入っていた。

その帰りの路地裏で、不幸にもそれを見付けた。

あなたは『腐乱死体』の第一発見者だ。

■PC2:記者

真夏の夜、あなたはとある事件について取材をしていた。

仕事を終え街を歩いていると不意に誰かとぶつかった。

その人物が出てきた路地に行けば、『死体』があった。

■PC3:死体修復士

真夏の夜、あなたは今日も死体を修復していた。

この時期の死体は厄介だ。匂いも状態も悪い。

悪態をつこうにも『腐乱死体』の修復はしなければ。

■PC4:探偵

真夏の夜、あなたは丁度依頼について考えていた。

つい先日受けたものではあるが、どうにもきな臭い。

そこに殺人事件の騒ぎも飛び込んでくる。一体何だ。


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